先日、ある大学の方が塾にいらっしゃいました。
まだ愛媛では無名なのでということで、わざわざお越し頂きました。
人間環境大学という大学です。経営母体は、専門学校などで有名な川原学園さん。
今では四国最大の高校である未来高等学校も運営されています。
人間環境大学は、もともと愛知県岡崎市にある大学です。
岡崎市と言えば、超有名な進学校である岡崎高校があるところ。
岡崎は、学力が非常に高いエリアです。(研究者のご子息が多いとも聞いています。)
今回、人間環境大学は、愛知と同じ学科をそのまま愛媛にもってきています。
分校に近いイメージなのかな?という気がしていますが、問題は、そのレベルです。
岡崎の場合、受験としての競争倍率は10倍くらいあるそうです。しかし愛媛は2倍に届かないとのこと。
ざっくり言えば、10人に1人しか通らないのが愛知で、2人でどちらかは合格するというのが愛媛だということです。
しかも、これが同じ大学の同じ学科ということになります。
なかなか難しい問題です。選抜出来ないとなると、大学側で幅広い学力の学生を相手することになります。
競争倍率が低いと、そうなりがちです。某県のデータでは、公立高校で競争倍率が1.3倍を下回ると学力が一気に下がるという結果が出ています。
今、愛媛県では、そのような倍率はありませんし、南予であれば1倍ない状況です。
地方の高校は、幅広い学力の生徒を同じ教室にて同じ授業で対応しなければならないという苦しい状況だろうと思われます。
しかも義務教育ではないので、ある意味、生徒は好きで来るわけです。そして多くの生徒さんは進学校を選びがちです。
本来であれば、留年などの制度もありますが、公立ではなかなか難しいものです。
しかし都会では、小中学生の時から高い学力を求められますし、相変わらず競争も激しいものです。
旧帝大への進学実績を見ると、ここ20年で都市部からが増え、地方からの進学は減っています。特に後期がある北大、九大などは、都市部の生徒に狙われやすいものです。これなども競争によって、全体的に学力が上がっているからだと推測されます。
この緩い環境に満足すると大学入試では失敗します。先ほどの岡崎高校は、県立でありながら毎年20数名、東大に行きますし、私が学生時代に教えていた小倉高校の生徒でも毎年九大には30名前後、東大、京大も毎年出ています。
しかも教えていた感覚で言えば、こちらの地元の生徒は、小倉高校に入学した生徒を比べても、何の遜色もありません。
単純に環境の問題としか言えません。競争が緩やかになると、勉強しなくとも高校進学は出来ますが、進学校に行くということは、大学進学をすることが前提でしょうから、環境が緩いぶん、自らしっかりと学習をしていかなければなりません。