いよいよ9月。地元の高校では、指定校推薦が出ています。
こちらでは、関関同立を中心として関西圏の私立への指定校推薦が多いわけですが、
お膝元である大阪に、おもしろい高校があります。
それが、大阪府立箕面高等学校。
地域では4番手ということですが、若い優秀な校長(39歳)が出した結論が高校の国際化。
世界ランキングで言えば、かなり上位の大学に合格させています。
都会の人は、学歴よりも「職歴」を考えます。
地方では公務員を中心に考えますので、県庁を除き、大学のレベルをそれほど気にしませんが、民間は、それほど甘くありません。関関同立レベルでも、学校の成績がよくなく、しかも推薦でとなると基本、大企業への就職は閉ざされるのが普通です。(学歴フィルターにかかるのは、旧帝大・早慶レベルと言われています。)
実際、教え子の中で、こっちの優良企業に就職しましたのがいますが、本来考えていた東京にある大企業は、全然ダメだったそうです。優秀でしたし、部活も頑張ってました。その後、関関同立に行き、大学でも頑張っていたのですが、ダメだったようです。
(学内推薦(エスカレーター式)の生徒や指定校推薦は、都会の民間企業では不利になるのは事実です。)
地方への就職と都会での就職はまったく事情が異なるのです。
一方、箕面高等学校は偏差値で言えば50台半ば程度の学校でしたが、今では66まで上がっています。
松山で言えば松山中央が松山東を抜くような勢いで伸びたと言えます。
(出典:関関同立.net 2017年度の大阪府立箕面高等学校の進学実績がやばいと話題)
その方法が海外進学。
日本の大学は、すでに序列がハッキリしています。高校が選べる大阪などであれば、志望大学毎に、入学する高校が変わります。そうすると4番手高は、関関同立が中心にならざるを得ません。京大・阪大などは他の高校に取られるでしょう。
しかし、海外に目をつけた校長は、一気に攻勢をかけます。
多くの大企業が日本の大学を見切り、海外の大学や留学生を中心に採用している事実を掴んでいたのでしょう。
公立高ということもあり、学校内部の軋轢は大変なものがあったと思います。
いやぁ~、とんでもない・・。
しかし今では、海外進学を考える生徒は、インターにしか行くしかなかったのが、公立高校からも行けるということで、優秀な生徒が集まっています。
実は高校のランキングを変える方法は、進学先を変えることです。
これは私立の校長との定期的な話合いでも言うのですが、良い学校は、良い先生がいるのではなく、良い生徒がいる学校であり、(特に公立には先生の差はありえない。)学校の差別化とは進学先の差別化でしかないわけです。
しかも海外進学は今後5年の間で都市部で約10%、地方でも5%にはなるでしょう。
決定的だったのは、5年前に灘高のダントツトップが東大を無視して、一気にハーバードを狙ったことでした。
愛光などもその後、海外進学を調査に乗り出しましたが、実は、高校から「ストレート」で海外の大学に行かせるのには、それなりのスキルと(当たり前ですけど)経験が必要です。
私の生徒で青学を辞め、モナシュ大学に再入学した生徒がいます。
先日、大阪大の外国語に進んだOGが来ていて話をしていたのですが、驚いていました。
「そんな賢い子いたん?」
「それはない!(^-^;;」
大学でもある程度のレベルの大学になると世界との競争にさらされるため、当然、海外の大学や有名大のランキングなどは知っているものです。(本来は、学校の教師が知っておくべきでしょうが)
ちなみにモナシュ大学は、世界ランキング80位。これより上のランキングの大学は日本では、東大のみです。
「まさか文型非選抜からとは思わんやろ?!」
「すごいなぁ~。どこに就職すんやろ?」
「ま、外資系が中心にはなるやろな。」
こちらに帰って来ることはないでしょうが、青学よりも就職にしても評価にしても高くなるのは当然でしょう。
(ただし卒業出来れば・・(^-^;;)
もともと勉強するということのなかには(特に受験では)、逆転する というニュアンスが入ります。
しかし本来の意味での逆転とは、選択の問題でしかありません。
選択肢を増やす作業が勉強です。しかし、その選択肢も知らないと選択出来ないですよね。
そういう意味で、箕面高校の取り組みは特筆に値すると考えています。