先日、仲村先生とマレーシアに出張しました。
仲村先生は、アメリカに留学していたこともあり、英語は堪能ですし、勉強熱心なので、今は、洋書でビジネス英語を勉強してもらってます。英語の単語1つ選ぶにも、品格のようなものがあり、それがビジネスを左右します。非常に高度で面倒なことをやってもらっています。
一方、私の英語、特に会話は中学生レベル。何はともあれ、会話は、「瞬発力」が必要なのですがそれを訓練していないことを実感しました。相手の英語を聞けないこともないし、話したいことも、どうにか英語で出せる。
ただ英語を一度、頭の中で日本語に翻訳しているのでギャップがあり、流暢な会話になり難いのです。
現地のウィ先生の英語プログラムをチェックしていた時、ウィ先生に伺いました。
「先生は、6ヶ国語を話しますが、例えば日本語を話すときには、何語で考えてますか?」
「日本語です。会話は0.数秒の世界です。ですので、日本語で会話する場合は、ずっと日本語で考えています。」
ウィ先生は6ヶ国語話します。東大に留学し、日本の大手企業に10数年勤めていた秀才だからこそ、
出来るのかも知れませんが、しかしこの「その言葉で考える。」というのは大きなヒントです。
実際、ウィ先生のプログラムも、オックスフォード系のプログラムも、はたまた、今度行う日本語教室の
プログラムも、「母国語への翻訳」という過程はありません。
英語を英語で教える。日本語を日本語で教える。すべてこの形です。そして、それ以外の言語はシャットアウトする。(私には非常に苦痛でしたが・・)
ウィ先生の英語のプログラムでは、日本語を完全シャットアウトすることで、常に英語で考えるよう要求されます。この訓練(試練?)がキモのように感じます。
また日常会話は、(特に日本語同士だと)それほど深く頭で考えてしているとは思いません。これは英語でも同じだそうです。なので、口ずさめるくらいにパターン化したフレーズがすっと出ないとダメのようです。そのためには、スピーキングやシャドーィングの訓練が重要らしいのですが、日本人はシャイなので中々、口に出せません。
英語の勉強というと、どうしても受験英語・・つまり読む・書くが中心になってしまいます。内容的には、私は日本での英語教育は高度だと思っています。どちらかと言うと、書かれている内容は、他国と比べて高度かも知れません。
しかし、読む書くは、頭の中で翻訳の作業が入りこむことになり、結果として瞬発力の要する会話が出来ないまま終わるわけです。
実は、会話も結局は、内容ですし、キチンとした文法なども重要です。
文法は必要ない!と言う人もいますが、日常会話程度の内容で、しかも相手が「あの人は日本人だから・・」と暖かい目で見てくれるうちはいいでしょう。しかし、ビジネスの世界などでは、その時点でなめられ、終了です。
出来れば、今、高校生が受験で読む・書くと同等レベルのことを流暢に話す・聞くということができないとだめです。
多くの会話学校の内容は、小学生レベルです。確かに、どの社会でも小学生レベルの語彙力で生活に不便はありません。
しかし英語を使って仕事をするという人たちの目標がその程度であればおかしい話です。
英語で幼稚語を話して喜んでいる日本人っていうのも変ですよね?
今後、日本の英語教育は、読む・書くから、話す・聞くにシフトして来ます。教員の問題などクリアすべき問題は山積みですが、それをしないと世界で通用しないからでしょう。
現在、英検準一級講座では、高いレベルの英文を読んでもらってますが、まず英語をそのまま考える。
時間があれば、英文を読んでみる。(発音は仲村先生にチェックしてもらって下さい。)そうすることで、非常に高いレベルの英語が身につくと思います。
せっかくの勉強です。受験英語でも、ちょっと手を加えれば問題なく世界に通用します。
私のように大人になってやり直しとなると、時間も根性?も、もったいない。
今から、上記で書いたように「英語で考える」「読んでみる」「聞いてみる」ということも工夫してやってもらうことで、使える英語になっていくと思います。